訪問看護
【末期がん】 動けなくなる前に、、、
年齢 | 50代 |
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性別 | 女性 |
介護度 | 非該当 |
傷病名 | 胃がん末期 |
利用の背景
地域病院の地域連携室より依頼
数年前に胃がんの診断を受け、治療や寛解を繰り返されていました。
今回の入院は食事が摂れないことによる衰弱がみられ、CVポートからの輸液を開始。加えて呼吸苦もあり酸素吸入治療も開始となりました。
ご本人の希望
ご本人も現在の病状を認識されており、
「動けなくなる前に家族旅行をしたい」
と強く希望されて、退院することとなりました。
また、旦那様は24時間勤務のあるお仕事で看病が難しく、本人のご実家へ帰られました。
ご本人の希望であった家族旅行は退院前から予約。
行き先は毎年行かれていた“東京ディズニーランド”でした。
しかし今回の退院から、在宅酸素療法が開始となっており旅行中の段取りまでは考えが及んでいませんでした。
そのため退院日の訪問の際、急遽業者さんに連絡をとり、まずは旅行の段取りをお手伝いすることから訪問看護が始まりました。
サービス提供
今回は訪問看護が利用開始されてからもうひとつ大きな壁にあたることになりました。それは
“金銭面の壁”
末期がん等の疾患で訪問看護をご利用される方々はお若い方も多くいらっしゃいます。
ご高齢者には少ないですが、お若い方々は所得の関係で医療保険の自己負担割合が3割であることが多いです。
いくら負担は3割とはいえ、月の療養費は数万~十数万円になることもあります。高額療養費制度を活用するにしても一時的には支払うことになるので、決して小さくない壁だと言えます。
そのため、主治医・ご本人・ご家族と、安心安全は確保しながら金銭的にも無理のない在宅療養生活のプランを逐次話し合いながら訪問看護と主治医による訪問診療を交互に利用となりました。
ご本人は、
「食べても下痢をするのがつらい」
実親に対しての甘え
点滴には縛られたくないから嫌
一方でご両親は、
「食事はなにを用意すればよいか、、、」
実子に何をしてあげられるだろうという葛藤
車椅子に乗ってまで外出するのをあまりよく思っていない母
必然的に訪問回数は少なくなってしまいましたが、訪問時にはご本人の療養に対する不安やご家族の看病への相談など、安心していただくための傾聴に努めました。
その後、栄養状態が良くなく入院されてしまい、最期まで支援させていただくことは叶いませんでした。
改めて、ご利用者様やご家族のお話に耳を傾けることで、不安や悩みを少しでも軽減することができ、それが在宅療養の安心に繋がっていると認識することが出来ました。